いきなり対決・闇商人
いきなり対決・闇商人
 
8月24日(火)/1日目
 
 そう、初日からもうぶちかましてたわけです。本編ではカットした、上海のタクシーでのおはなし。
 
 空港を降りて、いきなり声をかけてきた男がいた。タクシーはこっちだ、という。
 マニュアルには、こういうのはブラックマーケットだから無視しろ、とあったのだが、異国の地で、夜で、雨が降っている。なにより、まだオレは青かった(爆)。

 ものすごく怪しい場所にたむろしてる仲間のところに連れて行かれ、ちょっとダークなマシンに押し込まれ、闇の上海へ出発した。…ちゃんとホテルに行くのかなぁ。まぁ運転手とガイドっぽい男の二人だけだから、殴り倒すのに造作はないのだが。ええ、もう戦うこと考えてました。

 ガイドの男は、こっちが中国語ができないと思っているらしく、会話の合間に運転手に向かって「こいつバカだぜェ、一人で来てんだってよ〜」とか言ってる。車中で暴れてやろうかと思ったが、車がハイウェイから転落すると困るので忍耐だぜ。
 明日はどこへ行くんだ、と訊いてきたので、紹興へ行くと答えると、じゃあこのタクシーで行こうと言う。もちろんシカトする。
 と、今度は、「日本円が欲しいから、両替してくれ」という。中国人は、自由に外貨を入手できないので、こうやって闇で手に入れたがる輩がいるのだ。取引すると、こちらも犯罪者になるのを知っていたのでシカト。…だんだん男の目つきが凶悪になってきた。まぁそーだろーな、ヤ○ザなんだし。
 
 だが、どうやら取引はあきらめたらしい。そして車はホテルに到着した。
「いくら?」と訊いてメーターを見ようとすると、…ない。メーターなんぞ置いてません。ついでにタクシー組合の証明もないではないか。見事なまでにブラックです。
「二〇〇元」と男はいう。この時点では、高いか安いかが全くわからないのだ。実際には六〇元くらいの距離だったと後で知るのだが…結局払っちまった。Jesus!
 
 ホテルに入ってから、自分の行動の甘さを思い知り、これからの旅に恐怖した。
 帰ろうかな、とちょっとだけ思ったことを告白しよう。
 
TAKE ME TO BACK