だい23かい にわとり一わでだいせんそう
 
 ヨウユウとセキシュウがあるきだすと、二人のまえに、ジセンというおとこがあらわれました。ジセンは、
「りょうざんぱくにいくんだろう。おれもつれていってくれよ」
 ヨウユウは、ジセンをしっています。ジセンは、じつはどろぼうがしごとなのです。
「どろぼうのおまえが、どうしてりょうざんぱくへいきたいんだ」
 とヨウユウがきくと、セキシュウが
「とくぎがあるなら、きっとだいじょうぶでしょう。いっしょにいきましょう」
 というので、ジセンもつれていくことにしました。
 
 ゆうがたになり、三人は、やどやにはいりました。
 三人はごはんをたべていましたが、ジセンが、どこからか一わのにわとりをもってきました。ヨウユウはききました。
「おい、それはどうしたんだ」
「へへ、ちょっと、このやどのにわとりをいただいたんだ」
 けっきょく三人は、ジセンがぬすんできたにわとりを、たべてしまいました。
 ところが、これがやどやの人にばれてしまいました。やどやの人は、にわとりをかえせとカンカンにおこりました。ヨウユウが、
「まぁ、にわとりはべんしょうするから、そんなにおこるな」
 といいましたが、やどやの人は、
「いいや、ゆるさない。ここはな、しゅくかそうというむらで、つよいやつがいっぱいいるんだぞ。そのうちに、りょうざんぱくにおしよせて、あそこのさんぞくどもを、たいらげてやるんだ。にわとりをかえさないと、あんたたちをさんぞくだってことにして、やくしょへつきだしてやるぜ!」
 ヨウユウは、キレました。
「べんしょうするっていってるのに、なんだそのいいぐさは! くっちまったもんを、かえせるわけがないだろう!」
 やどやの人は、ヨウユウがおこったのをみて、
「みんなきてくれ、さんぞくだ!」
 とさけびました。
 あっというまに、おおぜいのおことたちがあらわれて、ヨウユウたちをつかまえようとします。三人は、たたかいながら、なんとかにげだしました。
 しかし、にげているとちゅうで、ジセンがつかまってしまいました。ヨウユウとセキシュウは、とにかくりょうざんぱくへいって、ジセンをたすけてもらおうと、みちをいそぎました。
 
 りょうざんぱくへついたふたりは、チョウガイやソウコウたちに、わけをはなしました。 ソウコウは、
「ジセンのことはともかく、しゅくかそうのやつらが、わたしたちをばかにしているのは、ゆるせません。こっちからいって、やっつけてやりましょう」
 と、おちつきのないいけんをだしました。みんなもそれにさんせいしたので、ぐんぜいをあつめて、しゅくかそうへむけてしゅっぱつしました。
 
 そして、たいけつのときがきました。
 しゅくかそうには、シュクリュウ・そのほかをはじめとするつわものが、うまをならべてむかえうちました。なかでも、コサンジョウというむすめが、ばつぐんのつよさをみせました。
 オウエイをいけどりにし、バリンやオウホウとも、ごかくにたたかいます。りょうざんぱくのつわものたちは、おどろきました。
 ソウコウは、しんぱいして、ゴヨウにききました。
「なかなかかてません。いったい、どうしたらいいんでしょう」
 しゅくかそうをやっつけてやるといっていたのは、どこのどいつでしょうか。
 
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