だい5かい ヨウシ、かたなをうる
 
 オウリンがだしたじょうけんというのは、3日いないにだれかをころして、そのくびをさしだす、ということでした。いかにもさんぞくらしい、やくそくです。
 
 リンチュウは山をおりると、とおりかかるひとをまちかまえました。しかし、2日がすぎても、うまくいきません。
 3日めがおわろうとするとき、リンチュウのまえにひとりのおとこがあらわれました。リンチュウはここぞとばかりに、かたなをふりまわしておそいかかります。でも、このおとこは、リンチュウにまけないくらのつよさでした。
 ふたりがひばなをちらせてたたかっていると、山の上から、オウリンがぶかをつれてあらわれました。
 
 オウリンは、ふたりのたたかいをやめさせ、さけをだしてもてなしました。
 このつよいおとこは、ヨウシというなまえで、これからやくにんになるために、まちへいくところでした。
 オウリンは、リンチュウとヨウシをふたりともりょうざんぱくにいれて、けんかをさせておこうとおもっていたのです。そうすれば、じぶんがたいしょうでいられるし、リンチュウのことをたのんだサイシンにもかおがたつ、とかんがえていました。
 
 でもヨウシは、さんぞくになるきはありません。オウリンのさそいをことわると、まちへとあるいていきました。
 そしてけっきょく、リンチュウはそのままりょうざんぱくにいることになりました。
 
 ヨウシは、まちへやってきましたが、やくにんになることができませんでした。
 おかねがなくなったので、しかたなく、かほうのかたなをうることにしました。 このかたなは、かみのけをふきつけただけでもきれてしまうという、わざものです。
 しかし、ならずものがじゃまをしにあらわれました。
 とうとうけんかになり、ヨウシは、このならずものをかたなでさしころしてしまいました。
 
 ヨウシは、じぶんからやくしょにいき、じしゅしました。
 
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