だい30かい ロシュンギをすくえ
 
 とらえられたロシュンギは、りょうざんぱくのごうけつたちから、あついもてなしをうけました。みんなはロシュンギをほめたたえ、ぜひ、りょうざんぱくにはいってほしいと、たのみました。
 けれどもロシュンギは、どうしても、なかまになるとはいいません。ソウコウも、ちょっとこまってしまいました。
 
 さて、ここでゴヨウのさくせんかいしです。
 ゴヨウは、ロシュンギといっしょにつれてきたリコを、かえしてやることにしました。
 そして、そっとリコに、こういいました。
「おまえのしゅじんのロシュンギは、もう、りょうざんぱくにはいることが、きまっているのだ。だから、もうロシュンギは、ほくけいの町には、かえらないんだぞ」
 リコは、おどろいて、にげるようにかえっていきました。
 
 いっぽう、ロシュンギは、なかなかかえれません。なにしろ、りょうざんぱくのごうけつたちが、毎日かわるがわる、ロシュンギのために、パーティーをするからです。
 それでもある日、ロシュンギは、どうしてもかえるといい、とうとうソウコウたちも、とめることができなくなりました。
 
 ところが、ロシュンギが家にかえるとちゅう、ロシュンギのかわりにるすばんをしていた、エンセイというわかものが、ぼろぼろなすがたで、あらわれました。
 そしてエンセイは、なきながら、こういいました。
「だんなさま、リコのやつが、おやしきをのっとってしまいました。わたしもおいだされ、ひどいめにあいました。ここにいると、あぶないです。りょうざんぱくへもどってください」
 ところが、ロシュンギは、エンセイのいうことが、しんじられません。
 いそいで家にかえってみましたが、リコはほんとうにロシュンギをうらぎっていて、やくにんをよんで、ロシュンギをつかまえさせてしまいました。
 
 エンセイは、いちどはロシュンギをすくいだしましたが、にげているとちゅうで、またもロシュンギが、やくにんにつかまってしまいました。
 エンセイは、しかたなく、ひとりでりょうざんぱくにいき、たすけをもとめました。
 
 ロシュンギのピンチをしった、りょうざんぱくは、ぐんびをととのえて、ほくけいの町にやってきました。ロシュンギをすくいだすために、みんなの力を、あわせるのです。
 とはいうものの、ここまで大ごとになりながら、すべてはゴヨウのさくせんなのですから、おそろしいものです。
 
 りょうざんぱくぐんが、ほくけいのぐんたいと、たたかいをはじめました。
 いったい、このたたかいは、どちらがかつのでしょうか。
 
 ちなみに、どちらがかっても、ロシュンギは、もとの生活にはもどれません。
 
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