だい4かい りょうざんぱく
 
 ゆきのなかをあるいていったリンチュウは、やがてサイシンというひとにかくまってもらうことになりました。
 このサイシンというひとは、むかしの王さまのちすじのひとで、じぶんをたよってくるひとなら、だれにでもせわをしてくれるひとでした。
 
 ところが、やくしょではリンチュウをつかまえようと、いっしょうけんめいさがしています。リンチュウは、サイシンにいいました。
「このままでは、いつかわたしがここにいることもばれてしまいます。
そうなれば、あなたにもめいわくがかかる。わたしは、よそへいきます」
「あなたがそういうのなら、『りょうざんぱく』というところをしょうかいしてあげましょう。いきばのなくなったひとたちが、さんぞくになって、たのしくくらしているところですよ」
 リンチュウはよろこんで、りょうざんぱくにむけてしゅっぱつしました。
 
 リンチュウはりょうざんぱくにつくと、たいしょうのオウリンというひとに、サイシンがくれたてがみをみせました。リンチュウがなかまになれるように、よろしくたのむ、というてがみでした。
 
 ところがオウリンは、けちなにんげんでした。かれはこうおもいました。
「このリンチュウは、とてもつよいおとこだ。だが、おれや、おれのてしたは、リンチュウにはとてもかなわない。
 こいつをなかまにしたら、いつかこいつが、たいしょうになってしまうぞ。」
 
 オウリンは、なんとかリンチュウをおいかえそうとしました。でも、リンチュウはひっしに、ここにいさせてほしいとたのみました。
 
 そこでオウリンは、リンチュウに、あるじょうけんをだすことにしました。
 
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