すいこでん
 
だい1かい シシンとさんぞく
 
 むかし、いまのちゅうごくが「宋 」というじだいだったころのおはなし。
 
 王さまの キソウコウテイ というひとは、くにをおさめるしごとをまじめにやらず、あそんでばかりいました。
 そんなだらしない王さまでしたから、きまぐれに、へんなひとをだいじんにしてしまいます。
 
 コウキュウというおとこは、まりをけるのがじょうずなだけで、王さまにきにいられてだいじんになりました。ところがこのおとこは、じぶんかってでよくばりで、どうしようもないだいじんでした。
 
   *    *    *
 
 みやこからはなれたあるむらに、シシンというわかものがすんでいました。
 
 あるひ、シシンのむらのちかくにすむさんぞくたちがやってきて、はげしいたたかいになりました。
 シシンはさんぞくのひとり、チンタツをつかまえましたが、さんぞくたちのなかまをおもうこころにうたれ、にがしてやりました。
 さんぞくたちも、シシンのつよさとおとこらしさをしり、シシンとなかよくなっていきました。
 
 ところが、シシンのむらのあるひとが、シシンがさんぞくたちとなかよくしていることを、やくにんにしらせてしまったのです。
 シシンはしかたなく、じぶんのむらをでてにげていってしまいました。
 
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