だい27かい コエンシャクのぼうけん
 
 りょうざんぱくが、あまりにもいきおいがあるので、みやこのおうさまが、しんぱいしました。
「だれか、あのさんぞくどもを、やっつけられるものはいないか?」
 それにこたえてやってきたのは、コエンシャクという人でした。
 コエンシャクは、ぶかのカントウとホウキをつれて、りょうざんぱくへ、こうげきをしかけました。
 コエンシャクは、のっているうまによろいをきせ、それをくさりでよこにつないでつっこむという、「れんかんば」というせんぽうを、つかいました。おかねがないと、こういうわざはできません。
 
 このれんかんばに、りょうざんぱくは、どうしてもかてませんでした。
 さらにコエンシャクは、リョウシンという、たいほうのめいじんをよんで、りょうざんぱくめがけて、うちまくりました。
 
 すいぐんのかつやくで、たいほうはやっつけましたが、まだ、れんかんばがのこっています。
 ここで、トウリュウというおとこが、いいました。
「れんかんばをやぶるには、ジョネイという人の、『こうれんそう』というわざがいちばんです。この人は、わたしのいとこなんですか、金のよろいをだいじにもっていますから、そこをりようすれば、つれてこられるでしょう」
 それならばということで、ゴヨウはジセンをよんで、その金のよろいをぬすませることにしました。いまさらですが、りょうざんぱくは、なんでもやります。
 
 こまかいことははぶきますが、ジョネイは、このさくせんにひっかかり、りょうざんぱくにつれてこられました。
 チョウガイとソウコウにたのまれたジョネイは、りょうざんぱくにはいることにきめ、こうれんそうのつかいかたを、へいしたちに、おしえました。
 
 いよいよ、コエンシャクとのたたかいがやってきました。れんかんばのぐんが、りょうざんぱくをふみつぶそうとばかりに、とっしんしてきます。
 ところが、こうれんそうのいりょくは、れんかんばをさんざんにうちやぶり、コエンシャクは、ひとりでにげるはめになってしまいました。
 
 このままではまずいと、コエンシャクは、せいしゅうという土地にいき、へいたいをかりようとしました。
 ちょうど、せいしゅうでは、三つの山で、それぞれさんぞくがあばれていたので、コエンシャクは、そのたいじをひきうけました。
 
 まずは、とうかざんという山の、リチュウとシュウトウに、いどみました。
 この二人は、コエンシャクのてきではありませんでしたが、リチュウたちは、ちかくにある、にりゅうざんにたすけをもとめました。あのロチシンやヨウシ、ブショウがいる山です。
 コエンシャクは、ロチシンたちには手をやいて、いったんは、しりぞきました。
 
 さて、ロチシンたちは、あつまってそうだんしました。
「せいしゅうから、たいぐんがだされたら、さすがにやばいな。こうなったら、りょうざんぱくにたすけをもとめるのは、どうだろう」
 みんなはこれにさんせいし、りょうざんぱくに、つかいをだしました。ソウコウたちは、このしらせにおうじて、ぐんぜいをひきいて、せいしゅうにはいりました。
 
 そして、コエンシャクをやっつけるために、おとしあなのさくせんを、たてました。
 コエンシャクは、これにひっかかってしまい、とうとういけどりにされてしまいました。
 ここまでおおきなたたかいをして、さいごはおとしあなというのが、なんともシュールです。
 
 ソウコウは、コエンシャクのなわをとき、りょうざんぱくにはいってくれるよう、せっとくしました。ぶかのカントウ・ホウキ、そしてリョウシンも、すでになかまにはいっていました。そこで、コエンシャクも、りょうざんぱくに、はいることにしました。
 にりゅうざんのロチシンたちや、とうかざんのリチュウたち、そしてびゃっこざんのコウメイ・コウリョウもなかまにくわわり、しっかりとせいしゅうのおたからをうばってから、みんなでりょうざんぱくにかえっていきました。

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