だい28かい チョウガイのさいご
 
 りょうざんぱくのごうけつたちは、さらにふえていき、このものがたりのさいしょにでてきた、シシンやシュブたちも、なかまにくわわりました。
 さらに、ぼうとうざんという山にいた、ハンズイ・コウジュウ・リコンも、いったんはたたかいましたが、やはり、りょうざんぱくのなかまになりました。
 
 りょうざんぱくのごうけつたちは、かんけいのない町や村は、けっしておそいません。さんぞくではありますが、せいぎのこころのもちぬしなのです。
 ただ、これだけのつわものぞろいですから、てきにまわしたら、おそろしいことになります。
 
 そして、りょうざんぱくに、またあらたなてきが、あらわれました。
 それは、「そうとうし」という町の、ソウいちぞくです。
 
 ことのおこりは、ダンケイジュウというおとこが、りょうざんぱくにはいりたくて、てみやげに、とてもはやくはしるうまを、もっていこうとしたのが、はじまりです。
 ダンケイジュウは、そうとうしをとおりかかったとき、ソウいちぞくに、このうまをとられてしまったのです。
 ダンケイジュウは、りょうざんぱくにいき、このことをはなしたのです。
「あのソウいちぞくは、うまをうばったばかりか、りょうざんぱくをやっつけてやるといって、いばっています」
 このはなしをきいて、りょうざんぱくのあるじの、チョウガイが、かんかんになって、おこりました。
 そして、こんどはじぶんがいくといって、みんながとめるのもきかずに、いくさのじゅんびをはじめました。
 なんだかダンケイジュウは、りょうざんぱくを、あおりに来たみたいですね。
 
 チョウガイは、ぐんをひきいて、ソウいちぞくとたたかいましたが、なかなかかてません。
 そしてある日のよる、チョウガイは、たたかいのさいちゅうに、わなにかかってしまい、とんできた矢に、あたってしまいました。
 
 その矢には、ていねいなことに、なまえがかかれており、シブンキョウとかいてありました。シブンキョウというのは、ソウいちぞくのなかでも、いちばんつよい人でした。
 いちばんつよいのに、しょうめんからチョウガイとたたかわなかったというのも、いまいちりかいできませんが。
 
 りょうざんぱくぐんは、しょうぶをあきらめ、ひきあげていきました。
 ところが、チョウガイにあたった矢には、どくがぬられていたのです。
 チョウガイは、みんなにみまもられながら、とうとう死んでしまいました。
 
 りょうざんぱくのごうけつたちは、みな、なげきかなしみました。
 いったいこれから、りょうざんぱくは、だれをあるじにすればいいのでしょうか。
 
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