だい33かい 二本のやりと石つぶて
 
 さて、りょうざんぱくのあるじのざをかけて、ソウコウとロシュンギの、しょうぶがはじまりました。
 
 しかし、どちらにも、てごわいてきが、まっていたのです。
 
 ソウコウのチームがおそった町には、トウヘイという、二本のやりをじゆうにあやつる、つよい男がいました。
 ソウコウは、トウヘイにじゃまをされて、なかなかかてません。そこで、まちぶせのさくせんをつかって、トウヘイをつかまえてしまいました。
 トウヘイは、これをきっかけに、なかまになることにしました。じつはトウヘイは、この町のちじのむすめを、およめさんにほしかったのですが、ちじが、それをゆるしてくれなかったのです。
 そこで、トウヘイのあんないで、ソウコウたちは町におし入り、ざいほうや、しょくりょうを、たくさんぶんどりました。
 トウヘイも、どさくさにまぎれて、ちじのむすめをさらってきました。というか、トウヘイにとっては、これがもくてきでした。むすめがこれをよろこんだどうかは、だれもしりません。
 
 さて、こうして町をおとしたソウコウでしたが、ロシュンギは、まだたたかっていました。
 チョウセイという、つよい男が、ロシュンギのチームを、くるしめていたのです。
 
 ソウコウは、さっそく、ロシュンギをたすけるために、かけつけました。
 このじてんで、ソウコウがロシュンギにかったことになりますから、なんとなくイヤミなえんぐんです。
 
 チョウセイという男は、かわったぶきをつかいます。石をなげて、かならずめいちゅうさせるのです。これでは、うかつにちかづけません。すでに、なんにんものごうけつが、チョウセイの石にあたって、けがをしていました。
 
 チョウセイが、ひとまずひきあげたので、ソウコウたちも、下がってさくせんをかんがえました。
 
 よるになり、チョウセイがようすをみにきました。すると、川にふねがうかんでいて、その中には、しょくりょうがたくさん、入っています。
「これは、りょうざんぱくぐんの、しょくりょうだ。これをうばえば、あいつらはたべるものがない。こっちのかちだ」
 チョウセイが、そうおもって、しょくりょうをうばおうとしました。
 しかし、これが、りょうざんぱくぐんの、さくせんでした。
 いきなりあらわれたりょうざんぱくぐんは、チョウセイのぐんたいを、川の中に、おいおとしました。そして、チョウセイもつかまり、やはり、なかまになることになりました。
 
 こうして、りょうざんぱくぐんは、二つの町から、たくさんのざいほうと、しょくりょうを手に入れ、つよいなかまをくわえ、いきようようと、かえっていきました。
 
 そして、やくそくどおり、さきに町をおとしたソウコウが、りょうざんぱくのあるじになりました。
 
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