だい20かい りょうざんぱくのこうかん、こうしゅうでおおあばれ
 
 ある日、ソウコウは、ひとりでぶらりとまちにでて、おさけをのみました。
 のんでいるうちに、じぶんがざいにんになってしまったことがくやしくなり、よいにまかせて、おみせのかべに、しをかきつけ、そのままかえっていきました。
 
 ここに、コウブンヘイという、しゅっせのためならなんでもやる、わるいおとこがいました。
 コウブンヘイは、このおみせにはいり、ソウコウがかいたしをみました。
「なんだ、このしは。むほんのしじゃないか」
 むほんというのは、くににはむかって、はんらんをおこすということです。ソウコウは、よっぱらってこのしをかきましたから、むほんのきなど、ありません(たぶん)。
 しかし、コウブンヘイは、このしをりようして、ソウコウをむほんにんにしてしまおうとたくらみました。むほんにんをつかまえれば、しゅっせはおもいのままだからです。
 
 こうして、ソウコウはとらえられてしまいました。こうぶんへいは、ちじのサイキュウをそそのかし、みやこにてがみをかいて、ソウコウをしけいにしてしまおうとかんがえました。
 サイキュウも、そのかんがえにさんせいし、みやこにつかいをだすことにしました。
 そのつかいにえらばれたのが、タイソウでした。それは、タイソウの「しんこうほう」(とてもはやくあるくじゅつ)をつかえば、みじかいじかんで、てがみをとどけられるからです。
 
 タイソウは、やくめをうけましたが、ソウコウがころされるとまでは、おもっていませんでした。
 ソウコウのせわをリキにたのむと、タイソウは、しんこうほうをつかって、みやこめざしてかっとばしました。
 
 ところが、タイソウは、みやこへいそぎながらも、りょうざんぱくのちかくをとおってしまい、つかまってしまいました。
 しかし、タイソウは、りょうざんぱくのゴヨウとはなかがよかったので、すぐにゴヨウとあい、ソウコウがつかまったはなしをしました。そして、サイキュウがもたせたてがみを、みてみました。
「おい、これはまずいぞ。ソウコウさんを、ころすようにかいてあるじゃないか」
 みんなは、てがみをみて、おどろきました。
 タイソウも、まさかとおもっていたので、あわてました。しかしそのとき、ゴヨウがいいました。
「こうなったら、なんとしてでもソウコウさんを、たすけましょう。わたしに、いいかんがえがあります」
 
 ゴヨウは、こういうとき、ほんとうになんでもやってしまいます。
 ゴヨウのたてたさくせんは、にせのてがみをつくって、サイキュウをだまし、ソウコウをたすけようというものでした。このために、じのうまいショウジョウと、いんかんをじょうずにほるキンタイケンが、だまされたあげくに、りょうざんぱくにやってきました。
 
 二人のとばっちりはさておき、こうしてできたにせのてがみをもって、タイソウはこうしゅうへとかえっていきました。
 
 ところが、タイソウがいったあとで、ゴヨウはまちがいにきづきました。てがみにおすいんかんを、まちがってしまったのです。このままでは、ソウコウはもとより、タイソウもあぶなくなります。きっと、すぐにもしけいにされてしまうでしょう。
 ゴヨウが、りょうざんぱくのみんなにいいました。
「こうなったら、しけいがおこなわれるすんぜんに、われわれがのりこんでいって、かれらをたすけましょう」
 けっきょく、ちからわざでかいけつするほかは、ないようになってしまいました。ショウジョウとキンタイケンのくろうは、なんだったのでしょう。
 
 さて、こうしゅうにもどったタイソウでしたが、やはりうそのてがみがばれて、ろうやにいれられてしまいました。
 
 そして、ソウコウとタイソウが、まちなかにひきだされ、くびをきられるひがやってきてしました。
 あいずのドラが、じゃんじゃんとなったとき、けんぶつにんのやまから、ひとりのおとこがとびこんできました。
 おとこは、くろいはだをあらわにして、てにもった二ちょうのおので、ソウコウたちのまわりにいるやくにんを、かたっぱしからきりまくりました。これは、あのこくせんぷうのリキでした。リキは、たったひとりでも、ソウコウとタイソウをたすけようとしたのです。
 それとどうじに、やじうまにまぎれていた、りょうざんぱくのこうかんたちも、ぶきをとってあばれだし、こうしゅうのやくにんたちを、よらばきるぞとなぎたおしていきます。こうしゅうのまちは、おおさわぎになってしまいました。
 
 こうして、ソウコウとタイソウはたすけだされました。
 しかし、へいたいがやってきて、みんなはみうごきがとれません。そこへ、リシュンやチョウジュンたちが、ふねをよういしてたすけにきてくれました。
 
 なかまがそろい、たたかうじゅんびがととのったソウコウたちは、こうしゅうぐんとはげしくたたかい、さんざんにやっつけて、ついにコウブンヘイをとらえました。
 コウブンヘイは、しゅっせどころか、よくがうらめにでて、とうとうここでころされてしまいました。
 
 すべてがおわり、ソウコウが、りょうざんぱくのみんなにいいました。
「わたしは、さんぞくになるきなどなかったのですが、ここまでおおあばれしてしまったからには、もうみなさんのもとへ、いれてもらうしかありません。よろしくおねがいします」
 なんだかずいぶんかってなことをいっていますが、みんなはソウコウをそんけいしていますので、おおよろこびです。

 こうして、ソウコウは、リキやタイソウ、リシュン、チョウオウ・チョウジュンたちもつれて、りょうざんぱくへとのぼっていきました。

 
もどるすすむ