だい35かい  ひとびとのために 「水滸聚義」のよんたいさんが執筆してくださったものを、アジナーが加筆・変更しました)   
 
 りょうざんぱくに、108人のごうけつがせいぞろいしました。
 ソウコウは、このごうけつたちが、ずっとさんぞくのままでいることを、ざんねんがっていました。
 みんなすばらしい人たちばかりなので、ぜひ王さまや、くにじゅうのひとびとの、やくにたちたいと、おもったのです。
 
 ソウコウは、おもいきって お正月のおまつりの日に、おともをつれて、みやこの王さま・キソウコウテイに、あいにいくことにきめました。もちろん、まださんぞくなので、こっそりいきます。
 
 さて、そうはいっても、王さまはえらい人です。ふつうのひとはあわせてもらえませ
ん。それに、おうさまのまわりには、たくさんのわるいだいじんたちがいるのです。
 そこでソウコウたちは、王さまが、よくかよっている、おちゃやさんのリシシというおねえさんに、あいにいきました。
 
ソウコウは、リシシにたのんで、王さまにあわせてもらえるように、たのみました。
 すると、ちょうどよく、王さまがやってきました。ただし、わるいだいじんもいっしょです。
 おともで来ていたリキが、そのわるいだいじんをみて、あばれだしてしまったので、その日はひきかえすことにしました。
 
 それでも、リシシのおかげで、ソウコウたちは、おうさまのために、はたらけることになりました。
 王さまは、りょうざんぱくのソウコウたちに、てがみをおくりました。
 しかし、このてがみをとどけた人も、わるいだいじんのひとりでした。
 てがみのないようは、だいたいこんなかんじでした。
「ふん、このさんぞくどもが、えらそうに。ほんとうなら、みんなまとめて、ころしてやるところだが、おれたちはやさしいから、とくべつにゆるしてやるんだぞ。そこのところを、よ〜くかんがえるんだな! はっはっは!」
 
 ここでまた、あばれんぼうのリキたちがあばれだしてしまい、このはなしは、なかったことになりました。
 ソウコウは、なかまのせいで、さんぞくにぎゃくもどりです。
 ソウコウは、なかまにきらわれていたのでしょうか? …いえ、それはかんがえないことにしましょう。
 
 さて、わるいだいじんたちは、おこってりょうざんぱくをやっつけようと、せんそうをおこしました。
 ドウカンというわるいだいじんや、あのでたらめだいじんコウキュウが、たくさんの
へいたいをつれて、せめていきましたが、りょうざんぱくのごうけつには、まるでかないません。
 
 そうです、りょうざんぱくには、あのロチシンやブショウやリンチュウ、そしてあばれんぼうのリキなど、たくさんのつよい人たちがいるのです。
 
 それにだいじんたちのへいたいは、だらしのない人ばかりでした。
 ババンリというへいたいは、リンチュウに「コラッ!」っとどなられただけで、びっくりしてしまい、「のひぃ」となさけないこえをあげるほどでした。合掌。
 
 ドウカンは、よれよれとかえっていき、コウキュウはつかまってしまいました。
 コウキュウは、とてもわるい人でしたが、ソウコウは、コウキュウをころさず、たすけてあげました。ヨウシやリンチュウは、とてもくやしがりましたが。
 
 これをきいた王さまは、こんどこそ、つよくてやさしいソウコウたちに、はたらいてもらいたいとおもうようになりました。
 
 こうして、ソウコウたち108人は、さんぞくではなく、おうさまのへいたいとなりました。
 わるいだいじんたちとはけんかしましたが、いちおうめでたしめでたしです。
 みんなも、けんかをしても、なかなおりしましょうね。
 あたまのいいおともだちにたのんで、しかえしとかをかんがえては、いけませんよ。
 
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