だい11かい ソウコウ、チョウガイをにがす
 
 まんまとざいほうをうばったチョウガイたちでしたが、やはりいつまでもあんぜんではありませんでした。かれらがやったということが、やくしょにしられてしまったのです。
 
 ソウコウというやくにんは、ふだんからひとのめんどうをよくみる、やさしいひとでした。このひとは、チョウガイとは、とてもなかがよかったのです。
 たとえしごとでも、ともだちをみすてることはできないと、ソウコウはうまをはしらせて、チョウガイにあいにいきました。
「チョウガイどの、いそいでにげてくれ。ざいほうをうばったことが、ばれたんだ」
 チョウガイたちは、ソウコウにかんしゃしながら、にげるじゅんびをはじめました。おっては、もうすぐそこまできています。
 チョウガイは、じぶんのいえにひをつけ、なかまたちやいえのげなんたちをつれて、にげだしました。
 チョウガイをつかまえにきたのは、まえにもでてきたあのライオウと、もうひとり、シュドウというおとこです。しかし、このふたりも、じつはチョウガイにうまくにげてほしいとおもっていたので、ぎゃくにチョウガイのために、じかんかせぎをしました。
 
 こうしてチョウガイたちは、ぶじにあのりょうざんぱくへとにげていきました。
 
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