だい18かい ソウコウ、こうしゅうにながされる
 
 ざいにんとしてつれていかれそうになった、ソウコウとカエイをすくったのは、あのエンジュンたちでした。エンジュンたちは、リュウコウのたくらみをしって、まちぶせをしていたのです。
「しまった、にげろ!」
 リュウコウは、あわててにげようとしましたが、うまからおちて、つかまってしまいました。ソウコウがいいました。
「おいリュウコウ、どうして、なんのうらみもないわたしを、おとしいれたのだ」
 しかし、カエイが、
「こんなやつには、これでじゅうぶんですよ」
 そういってカエイは、リュウコウを、そのばできりすてました。
 
 そのご、ソウコウたちは、なんにんかのなかまをふやしました。
 そして、どうせさんぞくになるのなら、おおきくかたまったほうがいいとかんがえ、みんなで、りょうざんぱくにいくことになりました。
 
 ところが、しゅっぱつして2日ほどたつと、セキユウというおとこが、ソウコウにてがみをもってきました。
 ソウコウが、てがみをみてみると、なんと、ソウコウのおとうさんがしんでしまった、とかかれていたのです。
 
 おやこうこうのソウコウは、りょうざんぱくにいくのをやめて、ひとりでいなかへもどる、といいだしました。カエイたちは、しかたなく、ソウコウとわかれて、りょうざんぱくをめざしました。
 
 さて、いなかへもどったソウコウでしたが、おとうさんはいきていました。それは、ソウコウのおとうさんが、むすこがさんぞくになるのをとめようとしてかんがえた、うそだったのです。どうやら、ソウコウがあのようにひとさわがせなのも、いでんのようです。
 
 とにかく、ソウコウは、いぜんにバシャクをころしたつみを、すなおにうけいれ、こうしゅうというところに、つれていかれることになりました。
 
 こうしゅうは、ちょうこうという、ひろいかわのそばにあるまちです。
 ソウコウは、このかわであやしいしょうばいをする、チョウオウやリシュンたちとしりあいになりました。かれらも、ソウコウとしりあえたことを、よろこびました。とにかくどこへいっても、ソウコウはゆうめいじんで、みんなにしたわれているのです。そして、したわれているからこそ、いろいろとめんどうなことも、よびこんでしまいます。
 
 ところが、ここに、そのソウコウもおどろくほどの、むてっぽうなおとこがあらわれることになりました。
 
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