だい26かい ようじゅつつかい・コウレン
リキは、しばらくサイシンのいえにいましたが、あるひ、じけんがおきました。
サイシンのおじさんにあたる人が、らんぼうものにおそわれて、しんでしまったのです。
そのらんぼうものとは(リキではありません)、インテンシャクという、そのとちのちじの、おとうとにあたる人でした。しかも、ちじのコウレンという男は、あのコウキュウのいとこなのです。インテンシャクは、かれらのけんりょくをかさにきて、ふだんから、人々をいじめてばかりいました。
インテンシャクは、サイシンのまえにもあらわれて、こういいました。
「おい、このやしきは、すごくきれいだな。ボクチャンは、ここがきにいった。おまえ、さっさとここをでていけ! さもないと、ひどいぞ!」
しかし、このようすをみていたリキが、
「なにがボクチャンだ、これでもくらえ!」
と、インテンシャクをうまからひきずりおろし、ポカスカガツンとなぐりますと、あっというまに、インテンシャクはしんでしまいました。やはり、ほんもののらんぼうものには、かないません。
おどろいたのは、サイシンです。なんとかリキを、りょうざんぱくにかえしましたが、おとうとをころされたコウレンは、おこってサイシンをつかまえてしまいました。このままでは、サイシンのいのちが、あぶなくなります。
さて、リキからはなしをきいた、りょうざんぱくのごうけつたちは、いそいでサイシンをたすけるために、ぐんぜいをひきいて、コウレンのいる、こうとうしゅうというところへ、かけつけました。
ところが、このコウレンという男は、ようじゅつ(まほうのようなじゅつ)がつかえるのです。
ソウコウたちのりょうざんぱくぐんが、いっきにせめても、コウレンがじゅもんをとなえると、あらしのようなかぜがふいて、たちまちやられてしまうのです。
「そうだ、こんなときこそ、キュウテンゲンジョさまからもらった、まきものをつかおう!」
ソウコウは、あのふしぎなゆめのなかでもらった、まきものをみて、コウレンのようじゅつを、やぶろうとしました。
でも、やぶれませんでした。
コウレンのじゅつのほうが、一まいうわてなのです。あるいは、まきものがヘボなのかもしれません。とにかく、りょうざんぱくぐんは、こてんぱんにまけてしまいました。
ひとまずにげてから、ゴヨウがいいました。
「コウレンのようじゅつをやぶるには、コウソンショウがいないと、だめでしょう。かれは、まだかえってきていませんから、タイソウどのに、もう一ど、さがしにいってもらいましょう」
やがて、コウソンショウが、りょうざんぱくにもどってきました。
さっそく、コウレンのぐんだんに、たたかいをいどみます。
コウレンは、りょうざんぱくぐんをみて、さっそく、ようじゅつのじゅもんをとなえました。
「ふん、こんどこそ、いきのねをとめてやるぞ! コンババンリ〜・サラババンリ〜ッ!!」
すると、あたりはたちまちくらくなり、どこからともなく、きみのわるいかいぶつが、たくさんあらわれて、りょうざんぱくぐんに、おそいかかりました。
しかし、ここでコウソンショウが、
「みんな、これはまやかしだ。行くぞ、『ごらいてんこうのじゅつ』だ!」
と、けんをひとふりすると、かいぶつたちは、ただのかみきれになって、ひらひらとおちてしまいました。
おどろいたコウレンは、くもにのるじゅつで、にげようとしましたが、これもコウソンショウにやぶられてしまい、そらからおちてきたところを、ライオウにきられてしまいました。
ソウコウたちは、そのままこうとうしゅうをせめおとし、サイシンもすくいだし、おたからもたくさんぶんどって、いきようようと、りょうざんぱくにかえっていきました。