https://kakuyomu.jp/works/1177354054884121209/episodes/1177354054887276865
この回は、執筆中によくタイトルを変更させて来ました。とても近い距離で李秀からも楊貴妃からも焦点を合わせるという複雑な描写をしたからです。こういう書き方は感情移入が混乱するので本来は避けるべきですが、本作品における歴史面のクライマックスであるため、敢えて挑戦しました。今年2月に書き足しをした中でも、最も内容を加筆した回です。(書き足しの目的が「李秀の出番増量」だったからです)
楊貴妃は中国の美女と悪女と悲劇に必ず名前が出る三冠王ですが、強くて残虐で破滅主義というところまで壊れた人格になっているのは伏魔伝くらいのものだと思います。彼女の魔星は天衰星というオリジナルですが、実は玄宗の寵妃は水滸伝の阮氏三兄弟に充てているので、楊貴妃は天剣星 立地太歳 阮小二に相当します。立地太歳は、仁王立ちの死神、といった意味合いなので、楊貴妃もとにかく禍々しい感じにしています。巻き舌で叫びながら斬りかかるところあたりのシーンは、真ゲッターロボを駆る葵豹馬をイメージして書きました。(あのひと死神より怖い…)