伏魔伝の続編について。

伏魔伝は既に完結して久しいのですが、続編になる物語を作ろうと思ったことはありませんでした。水滸伝から書き起こした話なので、あくまで続くのは水滸伝、と思っています。
しかし、伏魔の登場者たちに思い入れはやはりあります。なんといっても、物語の渦中であった安史の乱の終焉はナレーションで済まされていて、中国史好きな方を除いては、消化不良な終わりを感じた人もいらっしゃるかと思うのです。
伏魔伝の中心は神と人の世界観だったので、それに比べたら人の世の混乱は脇にやられてしまいます。竜虎山の地域は戦乱から離れているので、優先順位的にそうなるでしょう。
ただ、李秀はずっと葛藤していたはずです。長安に暮らし、実母との因縁も終えた彼女には、前線で苦しんでいる恩師が気になって仕方ないはずです。鋼先が無事に蘇るまでは彼に着いていく、という気持ちを優先したので(家族の安全も願いつつですが)、迷いながらも師を扶けられずにいただけでした。
結局鋼先は生き還らず、李秀は使命の終わりを感じ、しかし自分にはまだできることがあると思い、決意を新たに郭子儀の元へ馳せ参じる。ーーそんな時節から、この物語は始まります。
仮題として李秀伝と名付けていますが、書き進めるうちに正式な題名を付ける予定です。
楽しみにして頂ければ幸いです。

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